山の神は数軒で祠を作り祀っている。山の神を持っているということは、この土地で古来(少なくと明治以前か)からこの土地の住民であったことを示している。
野尻川向
大桑村野尻川向地区の三軒が祀っている山の神。石段の上に社が置かれている。
この祠では以下の四神様が祀られている。
- 大山祇神社(おおやまづみのかみ):大山積大神のこと。天照大神の兄神。古事記・日本書紀によると、山の神である。
- 室木之神社(むろきのかみ):室木様は句句廼馳神(ククノチノカミ)として村各所に祀られていた。ククチノカミは木の神。久久能智神(くくのちのかみ)は豊受姫神(とようけひめのかみ)の幸魂(さきみたま=幸福をもたらす神様)。豊受姫は豊受大神宮(伊勢神宮外宮)に奉祀される豊受大神として知られる。つまり、室木神は伊勢神宮外宮の神様。
- 祝神社(ほうりじんじゃ):長野市松代町方の総鎮守神、産土神(うぶすながみ:産土とは生まれた土地という意味で、その土地を守護してくれる神さま)として地元に親しまれた。
- 八幡神社:武運の神。応神天皇の神霊。
明治20年(?)の札には奉再建八幡神社と書かれている(他は読めない)ので、山の神と八幡神社はそれぞれ別々の祠があったことが推察される。それがひとつにまとめられたのであろうか。
和村
和村地区の四軒が祀っている山の神。大きな石の下に祠が置かれている。
この祠では以下の二神様が祀られている。
- 大山祇神社(おおやまづみのかみ):大山積大神のこと。天照大神の兄神。古事記・日本書紀によると、山の神である。
- 室木之神社(むろきのかみ):室木様は句句廼馳神(ククノチノカミ)として村各所に祀られていた。ククチノカミは木の神。久久能智神(くくのちのかみ)は豊受姫神(とようけひめのかみ)の幸魂(さきみたま=幸福をもたらす神様)。豊受姫は豊受大神宮(伊勢神宮外宮)に奉祀される豊受大神として知られる。つまり、室木神は伊勢神宮外宮の神様。
阿寺渓谷の山の神
阿寺渓谷にも山の神がある。この神様は阿寺渓谷内の山林切り出し作業での安全を祈ったものらしい。従って村に残る山の神とは趣が異なる。